Aquamarine Shock!

ト調の会

更新日:2010/02/07

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趣旨

ジャンルを問わず、さまざまな「原曲がト調」の曲を集め、その深淵な世界を楽しもうという、特別なんということもない謎の企画です。

皆様からのト調情報をお待ちしておりますが、私が聞いたことがない曲については「確認待ち」と但し書きで掲載させていただきます。

序文〜甘美なるト調の世界

普段私たち日本人が「ドレミファソラシド」と呼んでいる音は、そもそもはイタリア由来の呼び方です。英語では「ラシドレミファソ」をそれぞれ「ABCDEFG」と名付け、ドイツでは同じくラの音から「AHCDEFG」(Bはシ♭を表す)と呼んでいます。

日本では、イタリア由来の「ドレミファソラシド」を音名として使う他に、音楽理論の関係からか、別の名前を付けることになりました。そこで、「ラシドレミファソラ」をそれぞれ「イロハニホヘト」と名付けました。ちなみにこの「イロハ」は、もともとは「色は匂えど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず」(いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす)といういわゆるいろは歌が由来になっているのですが、ノッケから脱線してしまうのでこの辺で。

で、「ト」というのは要するに「ラシドレミファソ」の「ソ」のことを指します。ト調とは、ソの音をメインの音に組み立てられた音楽を指します。

調には、長調と短調があります。楽典的にはもう少しちゃんとした定義があるのですが、大まかに言えば、明るい感じがするのが長調、暗い感じがするのが短調です。

音楽に関心が全くない、あるいは音感の訓練を(自覚的であれ無自覚であれ)受けていない人にとっては、調なんてあまり意識しないものです。しかし、自分で楽器を弾いたり作曲したり、あるいは音楽そのものを研究したりする人にとっては、調というのは時に切実な問題でもあります。近年では平均律がはびこっていますし、電子楽器では割とどの調も公平に扱えるのですが、楽器を演奏する人にとっては特に大事で、例えばギターでは圧倒的にホ短調が弾きやすく嬰ニ短調は弾きにくいとか、そういうのがあるわけです。

かつての音楽家・マッテゾンは、それぞれの調に対しておのおの短いコメントを残しています。ハ長調については「大胆」、変ロ長調については「荘麗」、嬰ヘ短調については「ひどい憂鬱」とする中で、ト短調については「最も美しい調」とすら述べました。

…なんてしかつめらしいことはどうでも良く、私はとにかくト長調・ト短調が好きなのです。いえ、語るのが面倒になっただけなのですが。

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