Aquamarine Shock!

安全地帯:真夜中すぎの恋

更新日:2010/01/17

オリジナルよりも…

安全地帯1984年、シングル的にはかの"ワインレッドの心"の次に出ていますし、アルバム的にも"安全地帯"ではTrack 1の"ワインレッドの心"の次に出てきます。

これも間違いなく、安全地帯を代表するナンバー…だと思うのですが、こちらは玉置氏がソロ活動を始めてからはあまり重要視されなくなりました。1993年の"unplugged live!"でも、ついにサビの1フレーズしか出てこなかったです。それまでは"One Night Theather"にしても"ENDLESS"にしても"Y live"にしてもライヴで一番盛り上がるのがこの曲、というくらいに使われていたのに。いえ、実際にはソロでも歌っているらしい形跡があるのですが、音源が世に出ていない、と。

ということで、テンポこそそれほど早くなく、割とメロディーも伸びる曲なのですが、16ビートであるからか、オリジナルでもそこそこアツい歌です。それが、ライヴになると完全燃焼します。

それぞれの聞き所

オリジナルでは、まずAメロがFmから入るのが意表を突かれます。そのAメロのメロディーの最後は、(ベランダ)へーーー↑ーーーー↓と、途中で音がレからミ♭に半音上がり、ラストで軽くデクレッシェンドしながらピッチダウンします。BメロもFmから入り、最後にミ♭レ、ミ♭レ、ミ♭ーーーレーーとたたみかける。そして、シンコペーションでサビに入るのですが、その前半の4小節で安全地帯の十八番・三度上のハモりが来ます。これが凄く重要で、声量もvocalの9割くらいあって負けていません。それが過ぎるとタイトルもなっている真夜中すぎの 恋だから。特に真夜中すぎのがクライマックスでしょう。2番まで終わるとテクニカルなギターソロが入り、サビを2回繰り返します。

ライヴでは別な要素が加わります。"One Night Theather"の場合、まずテンポが速くなっていますし、一番のクライマックスであるはずの真夜中すぎの恋だからの部分は、一番最後を除いてvocalをパスしてしまいます。替わりにここに入るのは、遠くで鳴っている数千〜数万(?)人の若い女性の黄色い声による真夜中すぎの恋だから

"ENDLESS"では音の重なりは減った感じですが、その分疾走感が増しています。そして、こちらでは玉置氏は1番のサビはそのまま歌い、2番から真夜中すぎの恋だからを抜かしました。客はすっかり出遅れてしまい(?)、黄色い声でキャーーー…の恋だからと聞こえます。技ありの編集です。2回目以降は明らかに真夜中すぎの恋だからと追えるんですけどね。

"Y live"は、安全地帯のサウンドそのものにBrass sectionやコーラスが加わるようになったためか、豪華さが増しています。Drumsも頑張ってる。そういったことでこの版のアレンジが一番聴き応えがあります。やっぱりBrassが心地よいです。この頃から目立ち始めた玉置氏のシャウトも心地よい。そして、ここでも彼は真夜中すぎの恋だからを2番から抜かしていますが、ここで聞こえてくるのは恐らく安全地帯メンバーの声。これはこれでまた臨場感があってすがすがしい。

それが…

私が持っている音源では、これが最後の演奏機会でした。玉置ソロのライヴ盤でも収録された様子はありません。もちろん、収録されていないライヴとかまでは追跡できませんが。壮年の玉置氏にはこういうある種の「都会的な危険な香り」は似合わないということなのでしょうか。

あの"じれったい"が大胆にリニューアルされているのだから、この歌なんかはJazzyにアレンジしてもイケると思うのですが…

情報

『真夜中すぎの恋』:作詞:井上陽水,作曲:玉置浩二。

収録アルバム:『安全地帯』(1984)など。

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