更新日:2010/04/05
中越における新幹線以外の鉄道は、幹線としての上越線・信越本線、地方交通線としての越後線・飯山線・只見線、そして第三セクターの北越急行ほくほく線があります。
上越線は、群馬県の高崎駅から、⇒湯沢町の越後中里駅を経由し、魚野川沿いを通って⇒長岡市の宮内駅までの区間です。実際の電車は、宮内駅を超えて隣の信越本線・長岡駅にまで行きます。上下線とも、昼間は普通列車(各駅停車)のみが1時間に1本弱運行していて、夜間に新宿―新潟間を6時間弱で駆け抜ける快速・ムーンライトえちご号が上下一本ずつ通ります。普通列車は、越後中里―長岡・越後湯沢―長岡、水上(群馬県)―長岡が多く、上下一本ずつが石打―長岡、十日町(越後線)―長岡で運行しています。
信越本線は、元来国道18号にそって高崎駅から長野県の軽井沢・小諸・上田・長野と通り、⇒上越市に抜け、そこから日本海の海岸沿いを柏崎駅まで行き、東頸城丘陵(あるいはその北部の「西山丘陵」という表現をすることもありますが)を抜けて⇒長岡市旧越路町に出て、宮内駅・長岡駅を経由しつつ、見附・三条・加茂・新津、そして新潟駅に到る長い幹線でした。それが、長野新幹線の営業開始に伴って、横川(群馬県)―軽井沢間が廃止、軽井沢―篠ノ井(長野県)間が第三セクターへ移管し、現在は大きく分断されています。中越に関係ある普通列車の運行は、柏崎―新潟、柏崎―長岡、長岡―新潟、直江津―長岡、長岡―吉田(越後線)とヴァライエティー豊か(基本的には長岡駅を軸にすると考えやすいと思います)。特別列車では、特急・北越が金沢―新潟、急行・きたぐにが大阪―新潟、快速・くびき野が新井―新潟、そして寝台特急トワイライトエクスプレスが大阪―(中越では長岡のみ停車して)―札幌、となっています。
越後線は、中下越の日本海沿岸を走り、本来区間は新潟―柏崎です。運用上は、新潟駅から⇒新潟市西区を通って内野駅を経由して吉田駅へ行く区間と、吉田駅から寺泊・出雲崎・西山・刈羽を通って柏崎駅へ行く区間の2つに分かれます。前者は、途中に白山駅・関屋駅・新潟大学前駅と言った重要な駅があるため、特に新潟―内野間は昼間は1時間3本程度と新潟県でもっとも本数が多い路線です。が、一方の吉田―柏崎間は実に酷く、柏崎―吉田間などが上下合わせても十数本というヒマな路線となっています。当然、無人駅も多いです。何せクルマ時代、利用客が少ないので仕方ない。そして、当然のごとく特急や急行、快速なんかは走りません。
飯山線は、国道117号沿いの越後川口―豊野(長野県)を通っていますが、豊野の先は信越本線に乗り入れて長野まで行くようです。実際には、越後川口―十日町、越後川口―森宮野原(長野県)、越後川口―長野、十日町―上越線経由―長岡(信越本線)、十日町―長野、十日町―戸狩野沢温泉(長野県)、十日町―森宮野原と言った運行がされているようですが、新潟県側としては越後川口と十日町が軸になっています。酷いときには1両しか走らないほどの超ローカル線ぶりを発揮しています。
只見線はさらに寂れた線です。小出―会津若松(福島県)を通ります。途中、只見を通るのでこの名前。小出から旧入広瀬村の方向に進み、田子倉・只見、そして新潟県民が名前も知らないような町を通り抜け(ごめんなさい)、会津若松へとたどり着きます。全区間が午前・午後・夕に1本ずつ、只見―小出・大白川―小出が1本ずつ…と、小出を発着するのは上下線合わせてちょうど1日10本という恐ろしい路線です。しかも、全区間走破は4、5時間掛かり、小出を朝5時半に出て会津若松に10時半に付くとか(しかも大白川駅や会津川口駅でそれぞれ30分も止まる!)、小出を13時過ぎに出て会津若松に17時過ぎに付くとか、観光の役には立ちにくい路線です。ただ、そんな所を通るということで、一部の鉄道ファンの間では人気が高いとか。ちなみに、会津側ではもう少しマトモに走っているようです。
最後はほくほく線。これはもともと「北越北線」として国鉄の路線が通るはずだったものが、いろいろな事情で第三セクターの「北越急行」に移されて、1997年に開業()した路線です。正式な区間は六日町駅からほぼ真西に、十日町駅を経由して上越の犀潟〔さいがた〕駅に到るものですが、実際には越後湯沢駅(上越線)から直江津駅(信越本線)あるいは金沢駅(北陸本線)の区間の通過路線となっていることも多く、多少不遇でもあります。特急・はくたがが運行していて、東京―北陸への行き来に便利なことから、第三セクターとしてはめずらしく黒字で成功している路線です。各駅停車では正規の六日町―犀潟の他に、六日町―直江津、越後湯沢―犀潟、越後湯沢―直江津、六日町―虫川大杉(⇒上越市浦川原区)、六日町―まつだいの区間で、はくたかは越後湯沢―金沢、越後湯沢―福井(北陸本線)を走っています。
と言うことで、中越を走る線路+αを下に掲げておきます。
県道や市町村道を含めると話が膨大になるので、取り敢えず国道の話にしたいと思います。
都道府県の面積で全国第5位なのと、平地が多いこと、そしてもしかすると田中角栄の影響なんかもあるかもしれませんが、とにかく新潟県の国道の総延長は長いようです。
中でも中越で一番重要なのが、唯一の一桁国道である国道8号でしょう。起源は昔々の「北陸道」で、起点は⇒新潟市の本町交差点(⇒「ちず丸」の該当地域)、そして富山・石川・福井の北陸三県を通り、滋賀に入り、終点は遠く京都となっています。中越では三条から入り、⇒見附市・⇒長岡市を通り、途中⇒刈羽村飛び地を抜けて、⇒柏崎市から⇒上越市柿崎区へ抜けていきます。北陸自動車道とほぼ並行に走っていますが、西山ICのあたりでは山に、長岡IC〜中之島見附ICの辺りでは信濃川と長岡の街に阻まれて別々の道を歩んでいきます。⇒長岡市の川崎IC(国道でもICという表現を使うのです)で国道17号・長岡東バイパスと合流します(⇒「ちず丸」の該当地域)。17号から新潟方面に向かう道がメインで、8号が吸収合併されるような形に見えます。この辺りの構造は、前ページで紹介した長岡JCTにおける関越自動車道と北陸自動車道の関係とカナリ似ています。このあたりも、関東からの物流を中心に考えられているからなのでしょうか。
国道には「重複区間」という考え方があり、国道17号はこの川崎ICより北は国道8号と重複していると見なされています。そして、国道17号の終点は川崎ICではなく、新潟市の本町交差点となっています。つまり8号の起点が17号の終点なワケですね。
次に挙げられる国道は、既に登場している国道17号でしょう。これは江戸時代の三国街道につながる重要路線です。起点はあの東京・日本橋、そこから重複路線はありますが、埼玉・群馬を通って三国山脈を通り抜け、⇒湯沢町・⇒南魚沼市・⇒魚沼市・旧川口町・⇒小千谷市・⇒長岡市を通って、上述の通り国道8号と合体します。
地元民や、ここまでのページを注意深く読んできた奇特な方なら、この市・町の並びを見て、関越自動車道の走行と似ていることに気付くと思います。実際は、群馬県の月夜野ICの辺りからかなり離れていきます。関越道は関越トンネルと、そして17号は三国峠・三国トンネルと、山1つ分離れたところを通るのですが、結局は越後湯沢駅・湯沢ICのあたりでまた両者は再会します。しばらく魚野川沿いを併走しますが、越後川口ICの辺りから離れ始め、中之島見附ICのところでようやくまた一緒になります(8号との重複になってしまいますが)。…とダラダラ書いてみましたが、実際には、上越線(宮内駅以北は信越本線)と併走していると言った方が良いのかもしれません。
次は国道117号でしょうか。これは、上記の通り、飯山線と並行する路線です。あるいは信濃川に伴走すると言っても良いでしょう。⇒津南町・⇒十日町市・⇒小千谷市と入り(僅かに旧川口町を含む)、小千谷市街を通り抜け、国道17号との交点である⇒小千谷市の三仏生交差点で終点…ということになっている資料がいくつかあるのですが、「道路時刻表」を見る限りは、さらに17号との重複区間を進み、小千谷大橋を渡ったところが終点になっているようです。どうやら、政令でもしっかり指定していないとのこと。
国道116号も重要な路線です(番号は逆になりますが、こちらは県内で路線が完結してしまうのと、17号+魚野川と117号+信濃川の対比が一つのポイントでもあるので、このようにしました)。116号は、⇒柏崎市の8号との交点である長崎交差点(⇒「ちず丸」の該当地域)からスタートし、上にも述べた⇒新潟市の本町交差点で終了します。この路線は越後線とほぼ平行に走っていき、中越区間内では⇒刈羽村・⇒柏崎市旧西山町・⇒出雲崎町・⇒長岡市(旧和島村・旧寺泊町)を通って⇒燕市に抜けます。なお、起点の長崎交差点に当たるポイントは、既に前のページでの地図でも出てきていますので再掲します。敢えて図中には場所を示しませんが、十分におわかりいただけると思います。
その他、国道252(⇒柏崎市〜福島県会津若松市)・253(⇒上越市〜⇒南魚沼市)・290(⇒村上市〜⇒魚沼市)・291(前橋市〜⇒柏崎市)・351(⇒長岡市〜⇒小千谷市)・352(⇒柏崎市〜栃木県上三川町)・353(群馬県桐生市〜⇒柏崎市)・402(⇒柏崎市〜⇒新潟市)・403(⇒新潟市〜長野県松本市)・404(⇒長岡市〜⇒上越市)・405(群馬県六合村〜⇒上越市)・460(⇒新発田市〜⇒柏崎市)の各号が中越を通っています。こうしてみると、起点・終点としては⇒柏崎市が非常に目立った存在だということに気付かされます。ここでは中越を広く俯瞰するのが目的ですので、これらの国道は後で各論的に見ていきたいと思います。
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