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新潟・中越

更新日:2008/12/17

中越の地理1―地勢2

平野

信濃川と阿賀野川が作った平野が、越後平野です。越後平野と言えば…というか、新潟と言えば、マズ思い浮かぶのが米。この越後平野を新幹線やクルマで旅したことがある方は、長岡〜新潟の間に大水田地帯が広がっているのを目にしたと思います。

新潟県は広大な土地を持つ北海道を抑えて全国1位の収穫量を誇ります(年によって異なる場合がありますが)。信濃川が暴れ川だったということもあり、江戸・明治時代くらいまでは農地としてはあんまり良くなかったみたいですが、それでも明治時代の一時期は人口が全道府県中第1位だったこともあるくらいに恵まれていたらしいです。あの時代はまだやっぱり食べるものがそのまま国力につながったみたいですね。

とは言え、日本一の高級米・魚沼産コシヒカリが採れる魚沼地方は、この越後平野には含まれません。先に紹介したように小千谷市長岡市の境目あたりが越後平野の終点でして、魚沼地方は越後平野よりも信濃川の上流側になります。具体的には下の図で示すとおり。

コシヒカリが有名な魚沼地方

また、柏崎地方には鯖石川+別山川と鵜川による柏崎平野(刈羽平野)があります。上の図で言えば、「小千谷」と書いてあるところのちょっと西の海岸沿いになります。柏崎市がまとまった町になったのは、まず間違いなくこの平野がまとまった広さを持っていて、海に面しているからでしょう。この柏崎平野を見ると、

柏崎平野

こんな感じで、市街地の辺りを除いては、山と海が接近していることが分かります。要するに、鯖石川と鵜川が山を削って柏崎平野を作ったというのはこういう事ですね。逆に平地から海へ続く海岸線は、砂浜の海水浴場となっています。なお、「日本一海に近い駅」を自称する青海川駅があるのは、図で海岸線と線路を重ねた描いた辺り(別のページで紹介します)

さらに、別山川を中心にすると、こんな風になっています。

鯖石川と別山川詳細

この略図を見るだけでも面白いことがいくつかあります。まず、いわゆる「刈羽平野」と呼ぶべき平野は、山地を別山川が削りに削って作ったような形になっていること。その結果、海岸に沿って細長い山地が出来ていること。そして、ここに見える三叉路が国道116号の起点であること。さらに、国道352号は柏崎刈羽原発のためにコの字型に曲がっていること。

コの字型の道路は、他にも計画が頓挫した巻原発にも見られます。中越ではないので詳しくは割愛しますが、国道402号、別名・日本海夕日ラインが、この巻原発予定地のところだけカクンカクンと曲がっています。新潟側から来ると、突然海から離れる方向に曲がって「浦浜大橋」を渡り、突然に道が二股に分かれて分かりにくくなっていて、しかもどちらもそのすぐ先がトンネルになっている…という奇妙な場所となっています。

なお、この巻原発予定地は、「角海浜」というちょっとした淋しいエピソードがある集落でした。詳しくはネット検索で調べてみてください。

その他、上越市には関川が作った高田平野、佐渡には国府川による国中平野なんかがありますが、中越でないので省略。

新潟県は日本海に面しています。佐渡島や粟島は日本海に浮かんでいます。それは先述の通り。

冬の日本海は荒海で知られていますが、夏はサーフィンには適さないくらいに波が弱く、またフェーン現象でギンギンに暑くなることもまれではないので、実は海遊びに適しています。知っている人は、関東圏からもやってきます。

海岸線に関しては、上で示したとおり、山と海が接近しているところがかなりあり、とみに有名なのは――中越ではないですが――富山との境界である「親不知」〔おやしらず〕です。…が、それだけではなく海水浴場に適した砂浜もまたたくさんあります。中越に関しては、柏崎市鯨波石地、あるいは新しく長岡市に加わった寺泊が有名どころです。海の家のことを「浜茶屋〔はまぢゃや〕」というのも在りし日には有名だったかもしれません。

港としては、やはり柏崎・寺泊にあるのがある程度大きく、特に寺泊からは佐渡への定期便があるのですが、それ以外の旅客用の船は目立ったものが無く、新潟や直江津とは大違いです。

概して、中越は海に関しては淋しい傾向が有るように思えます。もう少しこう、派手になってくれれば良いのですが。

そんなわけで、中越に関しては山の方が充実していると思います。

いわゆる「越後山脈」というのは、新潟県の東側の県境に当たる山脈群を指すようですが、特定の山脈を指すという感じでは無さそうです。中越に関しては、群馬との境界に当たる三国山脈〔みくにさんみゃく〕や信濃川の東側にある魚沼丘陵・西側にある東頸城丘陵という名称がそれなりにまとまっています。

ですが、まず重要な山として挙がるのは、これらの山脈に属さない弥彦山〔やひこやま〕でしょう。その山頂は海から何キロも離れていないのに海抜600m超を誇り、天気などの条件が良ければ越後平野のどこからでも見えるとか。弥彦神社があり、その並びにある角田山〔かくだやま〕も500m弱と高く目立ちます。もっとも、この辺は厳密に言えば中越ではありませんが。

魚沼地方の越後三山も大事な山です。駒ヶ岳〔こまがたけ〕八海山〔はっかいさん〕中ノ岳〔なかのだけ〕の3つです。いずれも2000m前後の高峰です。関越道を長岡から東京方面に走っていくと、やがてどの山が越後三山なのかを示す標識が見えてきます。正式な三山からは漏れましたが、荒沢岳〔あらさわだけ〕もそれなりに有名。

柏崎地方には、米山〔よねやま〕を挙げないわけにはいきません。その他、黒姫山〔くろひめやま〕・八石山〔はちこくざん〕が合わさって刈羽三山と呼ばれています。

魚沼地方ではその他にも谷川岳〔たにがわだけ〕守門岳〔すもんだけ〕苗場山〔なえばさん〕、長岡であれば鋸山〔のこぎりやま〕、またここでいう「山」かどうかはともかくとして悠久山〔ゆうきゅうざん〕は地元のシンボルと言えるでしょう。

ちなみに、小千谷出身の私としては、強引に山本山〔やまもとやま〕朝日山〔あさひやま〕(木津)八海山〔(きづ)はっかいさん〕金倉山〔かなぐらやま〕あたりも挙げてみることにします。山本山は発電所があり、トンネルがあり、かつてスキー場があったことで知られ、また朝日山は戊辰戦争の時の古戦場としても知られています。

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