Aquamarine Shock!

新潟・中越

更新日:2010/04/05

中越の地理1―地勢1

全体

新潟県は日本海に面している旧越後国(上・中・下越地方)と、日本海に浮かぶ佐渡島・粟島の3パーツに分かれています。それらを合わせた面積は、全国の都道府県で北海道・岩手・福島・長野に次ぐ第5位です。

そんな新潟県の地形を大胆に表すと、下の図のようになります。

新潟県の地形・超略図

呆れるほど大胆ですが、水色が日本海、緑が平地、茶色が山地、青が川です。

図の左上側に浮かぶのが佐渡島〔さどがしま〕で、択捉島・国後島・沖縄本島に次いで日本4位の大きな島です。平成の大合併後の現在は佐渡市≒佐渡島になっています。図の上の方にある小さい島が粟島〔あわしま〕で、これは結構昔から粟島浦村≒粟島になっています。

新潟県を長く縦断する川が、日本一長い川である信濃川〔しなのがわ〕です。その河口部にあるのが県庁所在地の新潟市。長野県の千曲川が、新潟県に入ると信濃川と呼ばれるようになります。ちなみに、信濃とは長野県の旧称・信濃国のこと。長さ日本一とはいえども、実際には千曲川が名前の通りうねうねとしていて長さを稼いでいるとか。そんな事情もあってか、流域面積では利根川(長さ2位)・石狩川(長さ3位)に次ぐ3位となっています。

新潟県では津南町十日町市小千谷市の国道117号沿いを流れていきます。途中の十日町では、宮中ダム「ちず丸」の該当地域で水が取られて千住発電所・小千谷発電所・新小千谷発電所の3つの水力発電所で発電され、遠い首都圏の電車を動かす電力になっていました…が、水利権を巡る不祥事のために権利を取り消されています。

川は市境を越えて小千谷まで来ると、しばらく小千谷南部を進みますが、一度長岡市旧川口町に抜けます。そして越後川口駅と越後川口ICを挟んだ辺りで、魚野川〔うおのがわ〕と合流します「ちず丸」の該当地域。その魚野川は、新潟と群馬の境にある谷川岳から、湯沢町魚沼市〜旧川口町の国道17号沿いを通る川です(正確に言えば、国道17号が魚野川が作った河岸段丘の地帯を通っているわけですが)。「川口やな場」「堀之内やな場」「浦佐やな場」といった、川魚を獲るためのレジャー施設が並ぶことでも(地元では)有名です。

信濃川・魚野川合流部

信濃川・魚野川は、河岸段丘が発達しています。特に信濃川では「信濃川河岸段丘ウォーク」なる行事も行われているほど。そんな2つの川が合流したあとは、小千谷市を通りますが、この小千谷で上述の水力発電所の水が信濃川に戻される関係から、川の水量が明らかに増します。そして小千谷から長岡に抜けていきます。このあたりが越後平野の終点と言うべき所でしょう。下図は国土地理院のサイトで提供している地図ですが、こここそが中越地方を襲った中越大震災の際に感動のエピソードが起こったメモリアルスポットです。その話はまた稿を改めることにします。

この数百メートル北には、発電所から戻される水の関係で、水量を調節する「妙見堰」という堰があります「ちず丸」の該当地域。そして、川は旧古志郡と旧三島郡の境を通りながら長岡の中心に向かいます。長岡の市街地はこの川と異様に広い河原のために東西に2分されていて、上流より長生橋(国道351号)・大手大橋(同じく国道351号)・長岡大橋(国道8号)・蔵王橋(国道352号)の4本の橋がありますが、それでも朝夕や休日はかなり渋滞します。2008年12月現在、2車線だった大手大橋を4車線に増やす工事が進んでいたり(2009年9月に完成)、また長生橋よりもやや上流側に高規格道路を建設するプランがブチ上がっていたりして、渋滞解消に向けての動きが無いわけでもありません。

さらに北に北に進んで長岡を抜けるような頃になってくると、だんだん川幅も広くなってきて、それをそのまま下流まで流すわけには行かなくなってきます。そこで、燕市(旧分水町)大河津分水(おおこうずぶんすい)という分水路を作ってしまいました「ちず丸」の該当地域。大河津分水路は長岡市(旧寺泊町)と旧分水町の複雑な境界線の間を辿りながら、寺泊のメインストリートのよりちょっと北のところで日本海に注ぎ込みます。

その後は「下越」に入るので当サイトでは簡単に紹介します。大分川幅が細くなった信濃川は、三条市に入るところで、長岡市旧栃尾市〜見附市を流れてくる刈谷田川を飲み込みますが、すぐに中ノ口川を分流してしまいます。信濃川は新潟市南区新潟市秋葉区の間を通り、中ノ口川は国道8号に沿って南区内を流れます。この二人は、新潟西ICの近くでようやくまた一緒になり、すぐに鳥屋野潟からの水を受けて海に近づくのですが、ここでまた関屋分水という分水路で水量を少し減らされます。その残りが、県庁のワキを通りながら新潟の市街地の中を通り、千歳大橋・昭和大橋・八千代橋・萬代橋・柳都大橋の下をくぐって日本海に抜けます。なお、この関屋分水路と信濃川と日本海で囲まれた地域を新潟島と呼ぶようです。

その信濃川の河口の近くにもう一つ別の河口がありますが、それが阿賀野川〔あがのがわ〕。この川の本流は福島県の方からやってくるのですが、そのうんと上流に只見川という支流があり、それは魚沼市の山の中を通っていて、奥只見ダムというちょっとした観光地もあります「ちず丸」の該当地域。そんな感じの川なので、密かに、長さ・流域面積共に全国10位以内に入っているとか。四大工業病の一つ・新潟水俣病の発生地として、教科書なんかにも書かれていますね。

また、上の地図には紹介しきれませんでしたが、柏崎地方では鯖石川〔さばいしがわ〕鵜川〔うがわ〕という2つの水系があります。鯖石川の本流は南の十日町市旧松代町から北上してきて、柏崎市旧高柳町の国道252号沿いを通って、柏崎の町の東を通ります。途中で、柏崎市旧西山町〜刈羽村〜と流れてくる別山川と越後線西中通駅・国道8号豊田橋の近くで合流し「ちず丸」の該当地域、川幅を広げながら、柏崎の町の北で日本海に注ぎます。もう一つの鵜川は、旧高柳町の鯖石川より西のところから始まり、国道353号沿いを通って柏崎の町の南西側に入り、柏崎駅と赤坂山の間くらいのところを突っ切って日本海にたどり着きます。なお、柏崎市内にある鵜川の看板には「U R.」と書いてあります。"R."は、Riverの略。

その他、県内には関川・姫川・荒川という一級河川がありますが、中越とはとんと関係ないので省略。実際、私自身ほとんど実物を見たことがありません。

Canto-Marino (JPN). All rights reserved.